子どもも大人も輝くために、
私たちができること

浮間地区で子ども食堂を手がけるフィレールラビッツ・浮間と、幼児から小学生向けのアフタースクールを展開するウィズダムアカデミー。子どものこころとからだを育み、未来への可能性を広げる素晴らしい取り組みをされている両者が、「リノア北赤羽」共用スペースにて新たに活動をスタートすることとなりました! 日々、子どもたちのためにどんな活動をされているのか? また、リノアで挑戦してみたいこととは? それぞれの活動内容や想いを、スペース運営を手がけるNPO法人彩結びとリビタ・プロジェクト担当者がたっぷりと伺ってきました。ぜひご覧ください!

※NPO法人彩結びは、2020年春のオープン時より、「リノア北赤羽」の共用部(カフェスペース、多目的ルーム、屋上デッキなど)の運営企画・管理を行います

<お話を伺ったメンバー>
〇 フィレールラビッツ・浮間
代表・宮下浩子さん
古賀由香さん
山本ゆかりさん
〇 株式会社ウィズダムアカデミー
事業開発 原暁子さん
運営管理 江川潤さん

※本文は敬称略

<フィレールラビッツ・浮間とは?>
浮間地区を中心に子どもからお年寄りまで、こころの居場所として集う「発元気☀食堂」(子ども食堂)を実施。地域の清掃やイベント活動なども通じて、人と地域を元気にする活動を行う。

<株式会社ウィズダムアカデミーとは?>
2010年に「学べるアフタースクール」をテーマにスタートした、幼児から小学生を対象とした民間学童保育施設を運営。多種多様な習い事ときめ細やかなサービスが魅力。

子どもたちが悩みを話せる「こころの居場所」を作りたい

まずはフィレールラビッツさんから、どんな活動をされているのか教えていただけますか?

はい。私たちは子ども食堂をはじめ、地域の清掃やイベント活動などを行っています。子ども食堂は毎週月曜日、地域の清掃は月2回ほど開催しています。イベントは不定期で行っていまして、今度、浮間公園で「浮間公園フェスティバル」というお祭りを公園の管理事務所と一緒に開催します。地域に密着しながら、取りこぼしがないように活動を広げていきたいと思い、ゆくゆくは学習支援やシルバー食堂などもできたらいいなと考えています。

代表の宮下さんにお聞きしたいのですが、そもそも子ども食堂を始められたきっかけというのは?

私自身、子どもが4人いるんですが、子どもの友人たちと日々接する中で、彼らから学校で遭った嫌なことや理不尽なことなど、打ち明けられることがあったんですね。その時に子どもたちは人知れず心に不満や悩みを抱えていて、親にそのことを言えなかったり、周囲にも聴いてあげられる大人が少ないんじゃないかなと感じたんです。一方で、近所のママたちから悩みを相談されることもあって、子どもや親たちが何かあった時に駆け込める場所があったらいいなと思い、「子ども食堂を作ろう!」と決意しました。

最初は私1人で場所探しやチラシ作りなどを始めたのですが、なかなか1人で進めるのは難しく……。周りの友人たちにも声をかけ、賛同してくれた仲間とともに、「フィレールラビッツ・浮間」を立ち上げました。その後、様々なご縁がつながって個人宅の一角を貸していただけることになり、1年半ほど前に「発元気☀食堂」をスタートさせることができました。

いやぁ、素晴らしいですね。立ち上げ当初はご苦労されたと思いますが、スタート時からお子さんは集まってきましたか?

私の子どもたちが「今度、こういう場所ができるんだけど」と、学校の友達に声をかけてくれたようで、興味を持ってくれた子たちがたくさん来てくれました。子どもって意外とお互いの家庭や生活環境をよく見ていて、「あの子は誘ったほうがいいな」と分かるみたいなんです。そうした子ども同士のネットワークや口コミで自然と広がり、小学生から高校生まで幅広い層の子たちが参加してくれて。毎回30人くらいの子どもたちが来てくれます。

それはにぎやかでしょうね。子どもって表向きは元気そうに見えても、親に悩みを言えない時もあるんだろうなって感じるんです。「発元気☀食堂」のような“こころの拠り所”が地域にあったらいいなと思いますが、まだまだ少ないのでしょうね。

ホントそうです。中学生の子たちからも、学校での悩みや非行に走ってしまう原因などを聞く機会があったんですが、ちょっと大きい年齢の子たちもこころの居場所がないんだなと痛感しています。子ども食堂の会費を高校生まで無料にしたのはそうした理由もあります。

「第3の家」として子どもたちがのびのびできる環境を

それは幅広い世代の子どもたちも気軽に来やすいでしょうね。続いて、ウィズダムアカデミーさんの取り組みについてお聞きしたいのですが、教えていただけますか?

フィレールラビッツさんのお話と通じるところがあるかと思いますが、私たちも「第3の家でありたい」というのが基本コンセプトとしてあります。家族と過ごすのが「第1の家」、祖父母がいるおうちが「第2の家」とするならば、その次に子どもたちが安心してのびのびできる場所でありたいなと。

ウィズダムアカデミーでは、都内を中心に千葉、横浜、名古屋と「アフタースクール」を展開していますが、各校舎の中央に子どもたちがくつろげるリビングがありまして、ダイニングテーブルやソファ、テレビなども設置しています。子どもたちはそこで本を読んだり、DVDを見たり、時には昼寝をしたり。それぞれが思い思いに過ごせる空間づくりを心がけています。

スクールでは、いろんな習い事ができるんですよね?

そうなんです。書道や絵画、ピアノ、バレエ、英語……など、30種類ほどある習い事から、好きなものを選んでもらって、受けることができます。最近では、プログラミングや英語、一方で古くからある囲碁、将棋、書道なども根強い人気です。ちょっと面白いところで言うと、「K-ART SCHOOL」という、絵や工作もできるアートプログラムもあります。ある程度、お手本が決まっているので、どんなお子さんも楽しみながら完成度の高い作品が作ることができるんですね。作品づくりを通して、自己肯定感が上がるプログラムになっています。

魅力的な習い事がたくさんありますね!うちの子も通わせたいです(笑)。

ぜひぜひ(笑)。基本的に幼児の場合は19時まで、小学生は20時までお預かりが可能ですが、最大22時まではお預かりの延長が可能です。親御さんが急なお仕事やご用事が入った時などに預けることができるので、安心感につながっているようです。駅や学校、ご自宅などご指定の場所まで、スタッフが徒歩や車などで付き添うサービスも行っています。スイミング、サッカーなど別の習い事やクラブへの送迎にも対応していますね。

それは親御さんも助かりますね。いろんな種類の習い事も1カ所で学べて、しかも送迎まで対応してもらえるなんて、ご家族も安心でしょう。

ちょっと気になるのは子どもの宿題のことなんですが。学校からの宿題をする時間もあるんでしょうか?

はい。お子さんがスクールに来たら、「今日は宿題出たかな?」と確認しています。時々、「出なかったよ~」とごまかす子もいますが、そこは念入りに聞いて(笑)。宿題については、それぞれのお子さんが自分で取り組めるよう、見守るようにしています。終わったら見させてもらい、よほど字が読みにくいようだったら書き直しをしてもらったり、分からない箇所があれば教えてあげたり。スクールに来たら、まずは宿題、それから習い事に入ってもらうので、あっという間にお迎えの時間になりますね。

宿題を見ていただけるのはありがたいですね。地域の学童に子どもを通わせていた時期があったんですが、宿題をやりたくても周りが騒がしかったり、子どもながらに真面目ぶって見られるのが嫌だったりして、なかなかやりにくい環境だったようで……。

学童は子どもの安全を守るのが第一で、スタッフの方は見守る形が多いですものね。ウィズダムアカデミーさんの場合はプログラムが充実しているから、子どもたちもきっと楽しいでしょうね。

確かに!お子さん達はスクールに通うようになって、どんな変化や成長がありましたか?

多年齢とのかかわりの中で、助け合いの心が生まれていく

3歳から小学生までリビングなどで同じ空間に過ごすことも多いので、小学生のお子さんが幼児のお子さんの面倒をみてくれたりしますね。6年生ぐらいになると、「小さな先生」になってくれて、下の子たちの宿題を見てくれたり、私たちがカリキュラムの準備で忙しくしていると、「手伝おうか?」と声をかけてくれたり。本当、頼もしいですよ。一人っ子のお子さんも多いので、「きょうだい」ができたように感じて、お互いの交流が成長や自立につながっているようです。

それは素敵ですね。フィレールさんの子ども食堂も、子どもたちが大勢集まると大家族のようになるんでしょうね。

おっしゃる通り、そんな感じです(笑)。夕焼けチャイムが鳴ったら、子どもたちが「お腹減った~今日は何?」と、続々とやって来まして。「カレーだよ」と言うと「よっしゃー!」と、皆でおかわり合戦です。カレーの日は二升炊きでも足りなくて大変ですが(笑)。調理はいつも大人3~4人、少ない時は1人の時もあるので、その姿を見て大変だと思ったのか、三角巾とエプロンを持参して料理のお手伝いをしてくれる子もいます。皆も椅子やテーブルを出したり、食器を拭いてくれたりと自然にお手伝いしてくれるようになって。たまに「お皿洗ったら、早く拭いてね!」などと怒られたりもします(笑)。

そうなんですね!子ども食堂を運営するのはきっと大変な面もあると思いますが、活動を始められてどんな点が良かったと感じますか?

やはり、子どもたちの表情が最初に来た頃と比べて明るくなったことでしょうか。少しずつ心を開いてくれるようになって、日常のちょっとしたことも話してくれるようになったことが本当に嬉しく、立ち上げて正解だったなと思います。確かに金銭的に大変な部分はありますが、私自身それを覚悟で始めていますので。ありがたいことにお米を送ってくださるところがあったり、地域の方が野菜など寄付してくださったりするのでとても助かっています。

そういった地域の方からのサポートがあるとありがたいですよね。

そうなんです。先日は、地域のおじいちゃんに来ていただいて、戦争の時のお話をしてもらいました。教科書やニュースでしか知らなかった戦争のことを実際に体験した方から聞けたことは、子どもたちにとってすごくいい経験になったようです。お話してくれたおじいちゃんも、「これから食堂のお手伝いをしに、ちょくちょく顔を出したい」と言ってくれて。そんな風に高齢者の方たちがご自身の経験や知恵を活かせるような場づくりもしていけたらと思いますね。子どもたちも多くの大人に見守られることで、防犯にもつながりますし、そうしたコミュニティがこれから増えていくといいなと思います。

地域の皆さんでお互いに助け合ったり、お互いが輝けたりするコミュニティって理想的ですね。

まさに「リノア北赤羽」の「Give&Share(ギブ・アンド・シェア」のコンセプトにも繋がりますね。フィレールラビッツさんとウィズダムアカデミーさんは、「リノア北赤羽」の共用スペースで活動される予定なんですよね?

子どもたちを中心に地域の人たちの笑顔があふれる場に

はい。今、お借りしている場所から、「リノア北赤羽」に拠点を移して、子ども食堂を展開できたらと思っています。キッチン設備や調理器具などもお借りできると伺っていまして。実は、毎回炊飯器など調理器具を自転車に乗せて、自宅と何往復もしながら運んでいるのですごく助かります。

そう言っていただいてうれしいです。リノアでワークショップやマルシェなどのイベント開催も考えていらっしゃるとのことで、そちらも楽しみです。

私たちの仲間で、いろんな知識や経験を持った人が多いので、たとえば保育士や助産師さんによるベビーマッサージの講座や、天然素材を使った石鹸づくり、珍しいものだと仏像彫りや、ひょうたんアートのワークショップもできるかな、と。ひょうたんアートは、ひょうたんに穴を開け、いろんな模様をつけて、中にランプを入れるんですが、おしゃれで可愛いんです。マルシェも月1回ぐらいのペースで開催したいです。無農薬の野菜を農家さんから譲ってもらって、お売りできたらいいなと考えています。

わぁ、ワクワクしますね。ぜひ開催していただきたいです。

ウィズダムアカデミーさんとは、「リノア武蔵野」のほうでもご一緒させていただいておりまして。そこでは、たとえば「ドローン体験」など、子どもから大人まで楽しめる体験型のイベントを中心に企画していただいています。そういったコンテンツも含めて、まずは居住者や地域の方々のニーズを踏まえた上で、習い事教室の開催からスタートしていただく予定です。そして将来的には学童的なサービスもご提供いただけたら嬉しいな、と。

そうですね。宿題の見守りであったり、いろんな習い事であったり、現状の校舎のように大きく構えるわけではありませんが、スペースを使わせてもらいながら、マイクロ学童的なものを展開できたらいいなと考えています。

親子で楽しめる体験型のイベントや人気のプログラミング教室もぜひやってもらいたいです。浮間地区って、習い事の教室が少ない印象がありますから。

そうなんですね。教えたい気持ちはあるけど、自宅で教室を開くのが難しいという先生予備軍もたくさんいらっしゃるので、リノアでそうした方たちの先生デビューを後押しできたらと思っています。

リノアに住まわれる方や地域の方など、いろんな特技を持っている方がいらっしゃると思うので、バラエティ豊かな習い事が生まれそうですね!ウィズダムアカデミーさんのマイクロ学童とフィレールラビッツさんの子ども食堂によって、子どもたちを中心に地域の輪が広がりそうです。きっとにぎやかで楽しい場になるでしょうね!本日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

<記事を書いた人>

櫻澤 佳奈(さくらざわ・かな)

NPO法人彩結びのスタッフとして働きながら、目下やりたいことを探し中の2児のママ。今回の記事でライターデビュー! 北赤羽エリアに在住。

<記事の編集をした人>

伯耆原 良子(ほうきばら・りょうこ)

ライター歴19年。NPO法人彩結びのイベント企画担当。佳奈さんのライターデビューを後押しするべく、取材やライティングを指導!

<写真を撮影した人>

橘 佳代(たちばな・かよ)

英会話教材の販売会社で働く傍ら、副業でセミナーやプロフィール撮影などを手がける。「リノア北赤羽」のコンセプトに共感!